「「美術館で感性を磨く」と聞くけど、具体的にどういうこと?」
このように思っている方もいるでしょう。
このページでは、美術館で作品を鑑賞する時に、感性を磨く具体的な方法や美術館での楽しみ方、一度は訪れてみたい評判の美術館も紹介します。
美術館で感性を磨くとは?
「美術館に行って、芸術に触れて感性を磨く」という文言は一度は聞いたことがあると思います。
感性を磨くとは、絵画や作品をじっくり観察して、ものの見方・作者が考えることなど、細部を読み取っていくことをさします。
これは、絵画のみならず、彫刻、建築、陶芸なども同様です。
感性を磨いていくことで、注意深く物事を見るくせが付いたり、ものや人の隠された本質・思いに迫ったりすることができるでしょう。
ここからは、感性を磨く具体的な方法や美術館での楽しみ方に触れていきます。
作品から感じた感想の理由を考えてみる
まずは、作品を見た自分の素直な感想について、どうしてそう思ったか考えると、自分の考えやものの見方について、深く考えることができます。
何気なく作品を見ているだけでも、「きれいだな」や「嫌なかんじがする」といった感想を抱くことがありますよね。
その感想について「なんでそう思ったんだろう?」と考えると、そこには何かしらの理由があることに気づくはずです。
その時、実は自分の心の中を作品によって見つめ直しているのです。
この見つめ直すことで、自分の今の考えが整理されて、今まで気付かなかった新たな発見があるかもしれません。
そして、次に別の作品を見るときには、その考えが新たな判断基準になっていきます。
作品ひとつひとつに感じた自分の感想をもとに、自分の価値観や考えと向き合ってみましょう。
作品から感じたことを書き出してみる
より具体的に自分の感性を磨くためには、作品を見た時に感じたことや気づいたことを、メモ帳に言葉として書き出したりイラストを描いたりしてみると良いでしょう。
文字やイラストに書き出すことで、作品を丁寧に観察でき、その作品をより深く理解できるようになります。
また、自分で文字やイラストで作品を表すと、作品の色彩、輪郭、筆遣いなど、絵を構成する様々な要素を、自分なりの視点でしっかりと捉え、結果として感性を豊かにしていくことができるのです。
作品や作者について調べてみる
作品を実際に見て興味が湧いたり、好きな作者の作品の展示を見にいく場合は、本やネットで調べると作品や作者について深い情報を知ることができます。
自分の感性を磨くには、まず、実際に作品を見た後から作品や作者について調べると、作品を見た時に感じた感想や疑問の答え合わせのように、知りたい情報が見つかることもあるでしょう。
また、作品を見た時には、気付かなかった作品に隠された作者の信条、調べてはじめて知る作品が作られた経緯や時代背景なども詳しく知ることができます。
大きな美術館では、売店で展示された作品に関するアートブックや書籍も販売されているので、興味があれば、ぜひ、手にとってみてくださいね。
美術館・作品展示のこだわりに注目してみる
全国には、唯一無二の建築の美術館が多数存在し、建物の景観だけでも感性が磨かれるような独創的な造りをしています。
作品ごとに独立した展示室があり、屋上や階段室などにも作品が点在している「十和田市現代美術館」や四季折々の景色が楽しめる日本庭園がある「足立美術館」など、美術館によりその特徴は様々です。
また、作品そのものだけでなく、展示スペース、照明、作品を守るためのガラスにも注目してみましょう。
特に、大きな美術館で行われている期間限定の展示は、展示スペースや作品の展示の仕方など、作品がより魅力的に見えるような工夫がされています。
感性が磨かれる一度は訪れたい美術館6選
日本各地には様々な美術館があり、展示されている作品や作品を活かした展示の仕方も異なります。
ここからは、訪れると感性が磨かれるようなおすすめの美術館を紹介していきます。
十和田市現代美術館(青森県)
草間彌生や奈良美智をはじめ、国内外で活躍するアーティストの現代美術作品を常設で展示している美術館です。
ひとつのアート作品をひとつの部屋で展示し、ガラスの廊下で部屋がつながっている斬新な展示方法が特徴で、作品を間近で見ることができます。
部屋のみならず、中庭や屋上などにも作品が展示され、建物全体がアート作品のように作り出されているのも面白い所です。
・休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日) 年末年始
・観覧料:一般 1800円(企画展転換期 1000円)高校生以下無料
・TEL: 0176-20-1127 FAX:0176-20-1138
笠間日動美術館(茨城県)
ピカソ、モネなどの海外の有名な画家や金山平三、東郷青児などの日本の画家の作品を展示した、フランス館、日本館、企画展示館の3つの建物で構成された美術館です。
画家たちが愛用したパレット画を数多く展示しており、画家それぞれの色使いの特色を感じられるのも魅力です。
また、野外彫刻庭園では、四季折々の自然と共に、日本でも有数の彫刻家による彫刻作品が展示されています。
・休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日) 年末年始
・観覧料:一般1,300円、大高生 900円、中学生300円、高校生以下無料、65歳以上 1,000円
・TEL: 0296(72)2160
国立国際美術館(大阪府)
国内外の現代美術を中心に保管・展示している、入り口以外の部分が地下に収められている美術館です。
竹の生命力と現代美術の発展をイメージした独創的な建物が目印で、注目のアーティストなどの特別展と戦後の国内外の絵画や彫刻などのコレクション展を期間ごとに開催しています。
地上からの自然光を取り入れた開放感のある空間で、じっくりと作品を鑑賞することができます。
・休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日) 年末年始
・観覧料:通常コレクション展一般430円、大学生 130円、高校生以下無料 無料観覧日あり
・TEL: 06-6447-4680
大塚国際美術館(徳島県)
ダ・ヴィンチやゴッホなど西洋美術の有名画家の名画が陶板で原寸大に再現し、展示されている絵画の記念撮影も可能な美術館です。
誰もが一度は見たことのある世界の名画を鑑賞でき、作品自体の迫力を感じられ、間近で見た時は作品の細部なども観察できます。
また、焼失し現存していない作品の再現もされており、通常では決して見られない幻の名画を見られるのも注目です。
・休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)
・観覧料:3,300円、大学生 2,200円、小中高生 550円 ・TEL: 088-687-3737 Fax:088-687-1117
足立美術館(島根県)
横山大観などの現代までの日本画、北大路魯山人の陶芸などを展示し、美しい庭園がある美術館です。
苔の庭、池、白い砂利の庭など趣のある日本庭園も魅力となっており、細部まで徹底的に管理された庭園は、日本画の作品をイメージして整えられています。
注目の現代作家の作品も展示されており、季節ごとに展示を入れ替え、訪れるごとに違った作品を見ることができます。
・観覧料:一般2,300円、大学生 1,800円、高校生 1,000円、小中学生500円
・TEL: 0854-28-7111 fax:0854-28-6733
霧島アートの森(鹿児島県)
霧島連山の北にある栗野岳の中腹に広がる敷地に、国内外のアーティストの現代彫刻が展示されている野外美術館です。
草間彌生や村上隆など、有名アーティストの作品も多く、期間限定で展覧会・アートイベントも開催されています。
豊かな自然の中に点在する作品を歩きながら鑑賞し、作品ごとに異なるテイスト、素材に想像を膨らませながら芸術に触れることができます。
・TEL:0995-74-5945 fax:0995-74-2545
美術館で芸術鑑賞をして、感性を磨いてみよう。
美術館を訪れて様々な作品に触れ、自分が抱いた感想から、その理由を深く考えていくと、自分の考え方・価値観を見つめ直すことができます。
さらに、作品を深く観察するので、作品に秘められたものの本質や作者の思いにも迫っていき、結果的に自分自身の感性を磨くことにも繋がっていくでしょう。
全国には、様々な美術館があるので、ぜひ、ゆっくりと美術鑑賞を楽しんでみてくださいね。